“大河の一撃”で5連勝だ! 第27回U18(18歳以下)ワールドカップ1次リーグで高校日本代表がメキシコに7回コールド勝ちした。2回に平沢大河内野手(3年=仙台育英)の走者一掃の適時二塁打などで5点を先制。投手陣は3人の継投で無失点に抑えた。前日8月31日に左膝違和感を訴えた早実・清宮幸太郎内野手(1年)は欠場した。これで5戦全勝の1位で2次リーグへ進出。3日の2次リーグ初戦でB組3位のカナダと対戦する。

 たまっていたうっぷんをはき出した。2回2死満塁。平沢が、カウント1-1から低めの直球に逆らわずにバットを出した。実に11打席ぶりの安打が、左中間へ走者一掃の3点適時二塁打となり、端正なマスクをほころばせた。降雨のため2時間15分遅れで始まった試合でも、決して集中力を切らさなかった。

 甲子園準優勝から続く日程で疲れもあり、本来のバッティングができなくなっていた。前日のチェコ戦は先発を外れた。「公式戦で外れたのは(昨年の秋から)初めて。仙台育英ではないことだったので、新鮮でした」と苦笑いしたが、高校NO・1遊撃手として今夏の甲子園で3本塁打を放っただけに、心に秘めたものはあった。「2本打ててほっとしました」。4回にも右前打を放ち、頼れる主軸が復活ののろしをあげた。

 12-0で大勝し1次リーグを全勝で締めた。5試合で失点は1(自責0)。西谷浩一監督(45)は「バッテリーが相手をよく研究している。自分たちのピッチングができたのが(1次リーグ)突破につながった」と、3連覇を狙う米国を相手に完封した佐藤や、この日初先発した成田を始めとする投手陣を評価した。

 一方で、主軸の豊田、清宮とケガ人が出たことで、普段守らないポジションを試しながら戦っていく厳しさもある。西谷監督は「世界一を目標に集めたメンバー。まだまだ、まだまだという気持ちでやっていきたい。全員の力をたばねて悲願の世界一を取りたい」。初優勝へ向け、気持ちをひとつにして2次リーグへ向かう。【和田美保】

 ◆平沢大河(ひらさわ・たいが)1997年(平9)12月24日、宮城県多賀城市生まれ。城南小1年で野球を始め、仙台育英では1年春からベンチ入りし、秋からレギュラー。昨秋の明治神宮大会決勝で本塁打を放ち優勝。今夏の甲子園で3本塁打。176センチ、76キロ。右投げ左打ち。家族は両親と兄、妹、弟。