キヨミーが「4番DH」で復帰する可能性が高まった。第27回U18(18歳以下)ワールドカップに出場している高校日本代表が今日3日、2次リーグ初戦のカナダ戦を迎える。左膝の違和感を訴えて1日のメキシコ戦を欠場した早実・清宮幸太郎内野手(1年)は、2日の練習は元気に参加。フリー打撃では79スイングで柵越え5本と猛アピールした。西谷監督から「ボヤキ禁止」の条件を出され、クリアすれば「4番DH」で復帰が濃厚となった。

 清宮が目の色を変えた。欠場した前日1日夜も治療に専念。この日はテーピングを施した左膝を気にするしぐさも見せず、フリー打撃では両翼100メートルの右中間最深部スタンドに運ぶなど柵越え5発を披露した。「今日は良かったですね。(膝は)もう問題ないです。万全で試合に入れます」と笑顔で全快宣言だ。練習を見守った西谷監督は「普通に打てていた。彼(清宮)が4番のほうが3、5、6番がしっくり来る。現時点では、それが理想」と話した。

 4番復帰には条件があった。「ボヤキ禁止」だ。西谷監督は「気持ちと体の充実が見られれば(先発に)戻す」と注文を付けた。この日の練習でも、打ち損じると「あー」や「もう」などと気のない言葉を漏らした。「主軸を打つなら、そのへんをしっかりしないといけない」という監督の指摘に、清宮は「言わないように気をつけます」と反省。プレー以外の指導も真剣に受け止めている16歳は「いろいろと期待に応えられていない部分は多い。一から(自分を)見つめ直して、しっかり正して、結果でも応えていきたい」と決意を新たにした。

 「怪童対決」を制す。カナダの4番ネイラーは、今大会2発を放っている同じ左打ちの大型一塁手。開会式で言葉を交わし、記念撮影した。「ツーショットは宝物ですね。でも、負けたくないです」と闘志を燃やした。「自分の存在を世界に発信できる、いい舞台」と言い切る清宮が、完全復活を証明する。【鹿野雄太】

 ◆リーグ戦の順位決定方法 勝敗数で並んだ場合は(1)直接対決(2)得失点率差(3)得失点率差-自責点率差(4)チーム打率(5)コイントスの順で順位を決定する。1次リーグで対戦したチーム同士の試合の成績は、2次リーグにも持ち越す。