開幕投手で、世界一に王手をかけた。初戦のブラジル戦で6回無失点の中京大中京・上野翔太郎投手(3年)が、勝てば決勝決定の韓国戦で7回を3安打10奪三振無失点。「全員で一丸になって日本一…いえ世界一を必ず取ります!」。高らかな宣言が甲子園の空に吸い込まれた。

 最速141キロの直球、スライダー、チェンジアップで空を切らせた。3回2死一、二塁。韓国プロ野球ドラフト1次指名組のパク・ジョンヨン内野手を内角直球で見逃し三振。「乗って行けると確信した」と胸を張った。

 愛知大会開幕直前、疲労性の腰痛が出た。愛知優勝も不安視された夏が、世界一に挑む夏になった。「いい投手からつぎ込む」と西谷監督が決めた2次リーグで、前日カナダ戦は中継ぎ待機。さらにこの日の朝に先発を告げられ「日本のトップが守ってくれる。それだけで安心」と無失点投球で応えた。【堀まどか】