オコエが、夢の「トリプルスリー」に挑戦だ。ナイジェリア人の父を持つ関東第一(東東京)のドラフト上位候補、オコエ瑠偉外野手(3年)が15日、千葉・白井市の同校寮で会見を行い、プロ野球志望届を提出したことを発表した。テレビカメラ7台、40人以上の報道陣の前で、「プロの世界に入って、がむしゃらに下からはい上がって行きたい。高みを目指して、トップレベルに挑戦したい」と気持ちを高めた。

 打って、走って、守って、観衆を沸かせる「オコエ劇場」。甲子園4強入り、さらにU18日本代表として一躍注目を浴びた。そんなオコエがプロで掲げる目標は「(ヤクルト)山田選手や、(ソフトバンク)柳田選手のようにトリプルスリーを目指せる選手になりたい」と言った。

 3割、30本塁打、30盗塁は、プロでも超トップレベルの領域。山田や柳田のニュースを見ることで「最近、トリプルスリーをやる選手が日本のプロ野球でも出てきている」と憧れを感じた。走攻守、それぞれでオンリーワンになることが夢。3部門を達成する自信は「全くないです。プロの世界はそんなに甘くないと思う」と笑った。

 究極の目標に1歩でも近づくために、今も寮に住み込み、午後11時まで木製バットを振り込む。通学時には、ファンに声を掛けられることが増えた。東京・東村山で過ごした少年時代は、近所の西武ドームに通う西武のファンクラブ会員だったが、「プロの世界に行くだけでありがたい」と、12球団OKの姿勢でドラフトを待つ。「プロ野球でしっかりと戦って、自分の力が付けば、さらにトップレベルのメジャーに挑戦したい」と、将来の大リーグ挑戦も公言した。夢は大きく、たくましく。オコエが、ジャパニーズドリームを追い掛ける。【前田祐輔】

 ◆プロ野球志望届 高校は、強肩強打の高崎健康福祉大高崎(群馬)柘植世那捕手(3年)、横浜創学館(神奈川)の最速148キロ右腕、望月惇志投手(3年)、龍谷大平安(京都)高橋奎二投手(3年)らが提出し、計26人。大学は、立命大の最速149キロ右腕、桜井俊貴投手(4年=北須磨)、専大・浜田竜之祐内野手(4年=鹿児島実)らが提出し、計8人になった。