明治神宮野球大会(13日開幕、神宮球場)高校の部に東北地区代表として初出場する青森山田ナインが9日、東京へ向けて出発した。10月に青森で行われた秋季東北大会で初優勝。来春のセンバツ出場を確実にした。神宮大会でも快進撃を目指し、ナインは練習に励んできた。初戦(準々決勝)は15日、東邦(東海・愛知)対秀岳館(九州・熊本)の勝者と対戦する。

 初出場、初優勝へ。秋季東北大会での勢いを神宮につなげる。同大会では青森第3代表のため不利な1回戦からの登場。準々決勝で仙台育英(宮城)、準決勝で盛岡大付(岩手)、決勝で八戸学院光星(青森)など各県第1代表の強豪4校を倒した。兜森崇朗監督(36)が就任してわずか2カ月でのVだった。

 兜森監督は勝因について「夏の経験者が多かったこと」という。今夏は16強止まりだったが、いずれも2年生の堀岡隼人、坪井友哉の投手陣、内山昂思右翼手、三森大貴遊撃手、村山直也捕手の野手陣は旧チームからの主力。OBで若い兜森監督の下で心機一転、チームが一体となって戦ったことも大きい。

 東北大会の後は調子を落とし、練習試合では負けが込んだ。兜森監督は「東北大会優勝で、相手は向かって来る。一生懸命さ、気迫が足りなかった」。主将の内山も「どこかに気の緩みがあった。次は日本一という目標があるのに。みんな徐々に気づき、調子が上がってきた」という。

 大会直前は調整練習が普通だが、青森山田は普段と同じ内容の練習。普段の気持ちで大会に突入するためだ。日が短いため守備練習を先に行い、その後に実戦形式や打撃練習を行ってきた。兜森監督は選手個々の能力向上、戦術、チーム構成の見直しを進めてきた。

 この秋目標にしてきた神宮の舞台にいよいよ立つ。エース堀岡は「神宮のマウンドに立てるなんて夢のよう。東北大会決勝(光星を3安打完封)のように低めをていねいに突く。1戦1戦大事に戦う」。内山は「日本シリーズもやった球場でやれる。幸せです。青森山田の全員野球で優勝旗を持ち帰りたい」という。

 秋の東北大会優勝は初めてだが、春は今春を含めて4度優勝で、今年は春秋連覇も達成した。だが兜森監督は「また一から出直し。挑戦者の気持ちで思い切り戦いたい」と力を込めた。【北村宏平】