東邦(東海・愛知)の「バンビ2世」、藤嶋健人投手(2年)が2打席連続本塁打&完投で勝利に導いた。「エース」「主将」「4番」の“三刀流”をこなし、秀岳館(九州・熊本)を破った。

 最速146キロの藤嶋が、この日は打撃で名を残した。初出場の初戦で、86年帝京・芝草宇宙(元日本ハム)らに並ぶ大会タイ記録の1試合2発を2打席で連発。先制2ランに続き、高校通算37号は決勝2ラン。プロ注目右腕はバットでも強烈なインパクトを残した。

 投げても自己最速タイをマークしたが、この日は打力が際立った。「桁外れのパワー。昔の水野君(池田-巨人)のイメージ。投球も含めてパワー型です」と中日中田スカウト部長。オリックス柳川スカウトも「投打でドラフト候補ですが、脚力がつけばプロで外野手としても面白い」と打者でも一流の素材とした。

 1年夏に甲子園デビュー。東邦が甲子園準優勝の77年夏に1年生エースだった坂本佳一さん(54)にちなんで「バンビ」と呼ばれたが、エース兼4番の主将で全国舞台に戻ってきた。今大会の目標を「センバツに選ばれることがあれば、優勝候補で行きたいと監督が言われている。東邦の名を全国に知らしめたい」と頼もしかった。【堀まどか】

 ◆藤嶋健人(ふじしま・けんと)1998年(平10)5月8日、愛知県豊橋市生まれ。小学2年から「栄ドリームズ」で野球を始める。東邦では1年夏に甲子園出場で初戦・日南学園戦に勝利。今秋の東海大会準々決勝・中京戦で7回参考ながら無安打無得点。176センチ、77キロ。右投げ右打ち。