敦賀気比(北信越・福井)の「北陸のダルビッシュ」、来秋ドラフト候補の188センチ右腕・山崎颯一郎投手(2年)が、4安打11奪三振で1失点完投した。創志学園(中国・岡山)を下し、4強に進出した。

 188センチの山崎が、長い腕から投げ下ろす変化球で三振の山を築いた。「直球は走っていなかった」と最速は140キロも、落差のあるカーブと縦のスライダーで圧倒。日本ハムからドラフト4位指名を受けた平沼翔太投手(3年)からエース番号を受け継いだ右腕は「7、8割の力でも、低めに集めれば打たれないと思った」と胸を張った。

 柔らかい腕の振りは、ダルビッシュを参考にして手に入れた。「自分も背が高いので、どうやったらきれいなフォームで球が速くなるか」と自身の映像と比較して研究している。今夏の甲子園では花巻東(岩手)戦で自己最速の144キロをマーク。2回4奪三振で無安打に抑え、来秋ドラフト候補に浮上した。

 伸びしろは計り知れない。体重80キロと線が細く、ボールも荒れ気味。出場を確実にしている来春センバツまでの目標は「球速150キロ」と言い切った。もう1つは体重5キロ増だが「なかなか食べられなくて、夏に少しやせてしまった。焼き肉なら食べられるんですけど」と笑った。東哲平監督(35)が「持っているものはすごいけど、天然でスイッチが分からない」と言う未完の大器が、さらなる進化を遂げる。【鹿野雄太】