青森山田(東北・青森)が敦賀気比(北信越・福井)相手に健闘したが敗れ、決勝進出はならなかった。投手陣が計12安打を打たれ、必死の反撃も及ばなかった。だが初出場でベスト4進出。収穫も課題も得て、来春センバツへ向け再スタートを切る。

 青森山田が食い下がった。2-6で迎えた8回裏、斉藤孔明(1年)の2ランで2点差に詰め寄った。9回表に2点を追加されたが、その裏には村山直也(2年)の適時二塁打で1点を返した。だが反撃もここまで。「礼儀正しい」と評判になったナインは、深々と礼をして球場を後にした。

 エース堀岡隼人(2年)は登板せず、先発は公式戦初登板の漆舘伊皇(うるしだて・いお=2年)。4回まで本塁打の1失点。5回2死二、三塁のピンチで降板した。県大会、東北大会ではレフトでこの日が公式戦初登板。兜森崇朗監督(36)は「最近調子がよかったので起用した。そこそこ投げてくれた」という。

 2人目の坪井友哉(2年)がつかまり2-6とされた。3人目の三上世視滝(せしる=1年)は6回2死から8回まで無難に抑えたが9回に2失点。3投手で四球は計4個も、大事な場面でピンチを広げた。兜森監督は「堀岡に頼りすぎることなく今大会を戦えたのは収穫。でも投手陣の制球力は大きな課題」という。

 相手打線について兜森監督は「打球が強烈。1番から9番まで長打を打てる力がある」という。また救援登板のエース山崎颯一郎(2年)に三振を喫した4番三森大貴(2年)は「あんな力のある投手を打てないと、センバツは厳しい」と顔を引き締めた。

 漆舘は「全国レベルを肌で感じた。この冬の練習を必死に頑張る」。兜森監督は「課題もわかり、いい経験になった。ひと冬で力強さを身につけないと」と語気を強めた。【北村宏平】