目標は「侍ジャパン大学代表の4番」→「プロ入り」だ。北海の鎌仲純平外野手(3年)が1日、国学院大人間開発学部にスポーツ推薦で合格した。夏の高校野球100年の今年、甲子園の開幕戦で大会1号2ランを放ったスラッガーは、「戦国東都」の中でも育成に定評のある同大でステップアップ。超高校級160キロのスイングスピードを磨き、4年後のドラフトを待つ。

 生粋の“4番気質”に火が付いた。「将来的には大学ジャパンで4番を打ちたい。目立ちたがり屋には、ちょうど良い」。高校野球100年の夏、聖地でメモリアルアーチをかっ飛ばした鎌仲は、合格通知を手にすると、さっそく狙いを定めた。

 国学院大は10年秋に東都大学リーグで初優勝した新興勢力だが、5年連続でプロ選手を輩出。育成に定評があり、OBには大学で捕手に転向し成功した楽天嶋、北海道出身で13年にヤクルト入りした杉浦(帯広大谷)らがいる。「将来的にはプロに行きたい」と上を目指す鎌仲にとって「中3の時から興味を持っていた」と、思いを募らせていた大学だった。

 主将として名門を引っ張った。今春、夏と全道無敗で乗り込んだ甲子園だったが、記念すべき開幕試合で鹿児島実(鹿児島)に大敗。「大学では後悔しないようにやりたい」と意気込む。すでに金属から木製バットに持ち替えて練習を始めており「折ると1万円が飛んでいく。絶望感がすごいので、今までより意識が高くなった」と苦笑いだ。

 昨年、育成枠で西武入りした1学年上の戸川が、今月11日に支配下登録された。「電話でプロ側の様子を聞くと、余計に行きたくなる」。この4年で4人の北海OBがプロ入りしたのも、発奮材料の1つ。最速160キロのスイングスピードは、すでにプロ級。左の大砲は「今、北海高校、キテるんで」と不敵に笑い、大学での飛躍を誓った。【中島宙恵】

 ◆鎌仲純平(かまなか・じゅんぺい)1997年(平9)8月6日、旭川市生まれ。小2~中1にリトルリーグで通算25発、リトルシニアの旭川北稜時代は東日本選手権で全試合本塁打を記録した。北海では故障続きで、主将となった昨秋に初ベンチ入りし4番。昨秋は全道大会準優勝も今春と夏は優勝。今夏の甲子園で道勢60本目となる大会1号を放った。高校通算15本。177センチ、82キロ。右投げ左打ち。

 ◆北海OBプロ 第1号は法大を経て66年2次ドラフト(大学生と国体出場者)南海1位の中村之保。以後、谷木恭平(72年中日3位)村井英司(73年日本ハム4位)若松勉(70年ヤクルト3位)らが続いた。直近の4年間では、鍵谷陽平(中大、12年日本ハム3位)瀬川隼郎(室蘭シャークス、14年日本ハム5位)戸川大輔(14年西武育成1位)川越誠司(北海学園大、15年西武2位)がいる。