選抜高校野球大会の組み合わせ抽選会が11日、大阪市内で開かれ、初戦の相手が決まった。青森山田は大会第6日(25日)の第1試合で昨年優勝の敦賀気比(福井)と対戦。神宮大会では準優勝の同校に準決勝で敗れており、雪辱に燃える。

 運命の相手は優勝候補だった。青森山田の内山昂思主将(3年)が先にクジを引き、待っていた。敦賀気比が入ると内山の顔が紅潮した。「『敦賀気比とやりたい、しかも初戦で』とみんな言っていた。その通りになった」と内山は興奮気味だ。

 「これ以上ない相手」と兜森崇朗監督(36)も声を弾ませた。相手は昨春センバツ優勝、昨秋神宮大会で準優勝のチーム。「走攻守どれも全国トップレベル。特に打線は切れ目がなく、長打力もある」と評価する。だが昨秋東北大会では、県第3代表から各県第1代表をなぎ倒してVを奪取。前評判を覆した実績がある。

 神宮大会準決勝は5-8で敗れた。兜森監督は「あの試合でうちの課題が浮き彫りになった。ひと冬、それを克服する練習をしてきた。その成果を試す絶好の機会」という。敗戦もエース堀岡隼人(3年)は登板していなかった。ナインはこの冬、課題のパワーとスピードをつけるトレーニングに励み、力をつけた。

 第6日という日程も恵まれた。雪国青森のこと、グラウンドでの練習はままならなかった。「プレーはもちろん、チームの集団での行動1つ1つで、グラウンドでの感覚は室内と違う。1日でも多くグラウンドでの練習がしたい。その点では6日目は一番よかった」と兜森監督は歓迎する。

 内山は「力、技術では相手が上かもしれない。でも勝てない相手ではない。チャンスで1本、勝負強い打撃をしたい」と1歩も引かない。青森山田の名をさらに高めるチャンス到来だ。【北村宏平】