センバツ出場の青森山田が13日、大阪・交野市で練習試合を行い、関西創価を2-1で破った。初回、4番三森大貴(3年)のタイムリーで先制など2得点。3投手のリレーを堅守がもり立て、1失点で逃げ切った。6回から登板した漆舘伊皇(うるしだて・いお=3年)が4イニングを2安打無失点の好投をみせ、本番へ弾みをつけた。

 青森山田の投手陣が好調ぶりをみせた。先発の左腕三上世視滝(せしる=2年)が3回を3安打1失点。エース堀岡隼人(3年)が2回を3人ずつで仕留めた。3人目の漆舘は威力のあるストレートを主体に2安打1四球4三振の好投。関西の強豪につけいるスキを与えず、勝利に導いた。

 漆舘は昨秋東北大会まで外野手で出場。神宮大会の準決勝敦賀気比(福井)戦で先発し、これが公式戦初登板だった。結果は4回2/3を投げ5安打3失点。全国の舞台のデビューはほろ苦いものになったが、「あれが貴重な経験になった」と振り返る。

 青森県十和田市出身。十和田東中時代は八戸東シニアでプレー、元来は捕手だった。青森山田では最初外野手で、1年の冬から投手も兼任。だが腰のけがで苦しみ、登板の機会はなかった。この冬から練習も投手に特化したメニューになった。ウエートトレーニングで鍛え、体重はひと冬で11キロ増えて78キロ(身長175センチ)になった。

 「以前は球威がなく、軽く持っていかれたが、今はだいぶ球威がついた。堀岡に頼ってばかりではいられない。いつでも行けるよう準備していく」と甲子園のマウンドへ向けて意欲は十分。兜森崇朗監督(36)は「技術、体力など全般で成長した」と目を細める。

 青森山田は8日の練習試合解禁以来、つくば秀英に4-2、大商大堺に2-2、そして関西創価に2-1と負け知らず。兜森監督は「接戦続きは投手陣にはいい経験。攻撃力が課題だが、これから上げていく」と本番をにらんだ。【北村宏平】