15人を送り出す総力戦で、最終チェック完了だ。センバツ高校野球(20日開幕、甲子園)に出場する札幌第一(北海道)が17日、滋賀県大津市内で北大津と大会前、最後の練習試合を行い、3-3で引き分けた。公式戦さながらの緊迫した競り合いの中、兼村京佑右翼手(3年)が3回から捕手へシフトチェンジ。先発したエース上出拓真(3年)も6回から右翼を守るなど、有事を想定した複数ポジションでの動きを確認した。

 地肩の強い兼村は、昨秋の全道大会準々決勝でも負傷退場した銭目悠之介捕手(3年)に代わり、途中からマスクをかぶった。本心では右翼手に専念したい思いもあるが「いつ何時、こういうことがあるか分からない。腹をくくった」。最近では外野の守備位置で配球も考える“1人2役”に、慣れてきた。

 上出も、昨夏の練習試合以来となる右翼守備を無難にこなしたが「位置取りは、まだまだ」と本人は納得していない。菊池雄人監督(43)は「総力戦になった時、自分たちで想定して行動できるようになって欲しい」と願いを込める。初戦の木更津総合(千葉)戦まで、あと5日。練習試合を4勝1分け1敗で終え、本番を迎える。【中島宙恵】