小豆島のアルプススタンドでは、約4000人の大応援団が声援を送った。約2万9000人が住む島からは、約2000人が深夜2時半から3時にかけてフェリー4台で港を出発し、高松からバス計46台に乗り換えて8時に甲子園に到着。18人目の選手という意味を込めて背番号18を入れたそろいのジャンパー姿でオリーブ音頭を口ずさんだ。勝利は逃したが、試合後、選手たちがスタンド前に整列すると、温かい拍手とともに「ありがとう」の声が飛び交った。

 選抜出場決定後、野球部には約1億円の寄付が集まったといい、藤井久幸野球部OB会会長(64)は「夢が現実になった。島民に感動を与えてくれてありがとう」と感謝。塩田幸雄小豆島町町長(63)も「これだけの人が島から出るのは初めて。島が1つになれた気がした」と目尻を下げた。

 地元の小豆署では空き巣を防ぐため、数日前から連日、島内の有線放送で戸締まりの徹底を呼びかけ、試合当日もパトロールの人員を増やし、警戒に当たった。