通算22度の甲子園出場実績を持つ山形商の渋谷良弥監督(69)が今夏限りで勇退する。今季初公式戦になる春季村山地区予選2回戦(30日)を前に、監督生活45年目を区切りにする気持ちを固めた。12年春、山形市のスポーツアドバイザーに招かれ、来年2月に70歳の古希を迎える。同監督は「年も年だし、次の人のことも考えないとね。夏で区切りをつけたい」と関係者に伝えている。

 山形市出身で72年(昭47)、母校の日大山形監督に就任。同県勢として73年春のセンバツ初出場初勝利や同夏の選手権初勝利を含め、30年間で春夏通算14度の甲子園に導いた。02年に就任した青森山田でも10年間で春夏通算8度の甲子園出場を果たした。選手権は04年から6年連続、05年春には同校初のセンバツ出場も決めた。通算22度の甲子園出場(夏18度、春4度)は全国歴代10位タイ。“最後の夏”を前に、すでに全国の甲子園常連校から練習試合の申し込みが殺到している。渋谷監督は「人と環境に恵まれました。本当にありがたいよ」と感謝している。山形商で4度目の夏。「1つでも多く勝って生徒たちと少しでも長く野球をしたい。できれば日大と戦いたいね」と母校との対戦に期待した。【佐々木雄高】