宮城では今大会から背番号1をつけた東北の左腕渡辺法聖(3年)が、6安打1失点完投でチームを8強に導いた。「最初から飛ばして、自分で流れを呼びたかった」。3番に入った打撃では初回に先制三塁打、2回にも中前タイムリーで計2打点。言葉通りに勢いをもたらした。

 テークバックの小さい、内野手に近い独特の投法。2年生になって、遠投などで一番しっくりとした投げ方といい、球の出どころが見づらい。「あんまり長打を打たれるケースが少ない」と自信を持ち、利府の多くの打者を詰まらせた。

 昨秋の東北大会で出番がなかったことに発奮して、冬場は1日200球を投げ込んだ。背番号7の中部地区予選で完封勝ちを収めるなど、結果を残して勝ち取ったエースナンバー。我妻敏監督(33)は「今日は渡辺に尽きます」と褒めちぎった。