春日部共栄が9回の猛攻でサヨナラ勝利を収めた。

 1-4で迎えた9回裏、先頭打者多田祐大外野手(2年)の左前打を皮切りに、3連続安打で無死満塁とする。続く磯田歩甫(あゆむ)内野手(3年)、又吉一瑳(いっき)捕手(2年)の適時打で2点を返した。1死後、代打木村圭汰内野手(3年)が同点適時打を放つと、最後は高橋大地内野手(2年)の中前適時打でサヨナラ勝ち。この回7安打を集中、4点を奪った。

 最終回での見事な逆転劇に、本多利治監督(58)は「まさか勝てるとは。このまま負けるのかと思っていたよ」と本音がポロリ。反撃ののろしを上げる左前打を放った多田については「本当は外野手だけど、遊撃手をやらせていた。けが人の関係で今日は外野だと伝えたら、うれしそうでしたよ」と話した。「ポジションを変えられても、ふてくされないで練習してきた成果が出たんじゃないかな」と、努力を惜しまなかった球児の活躍に目を細めた。