プロ12球団注目の福岡・九州産のエース梅野雄吾投手(3年)が、剛腕で77年夏以来の甲子園に導く。昨秋の福岡大会でノーヒットノーランを記録しながらセンバツを逃した悔しさから今春、自己最速154キロをマークした。福岡大会で自己最速を更新し甲子園出場へ気合十分だ。全国の「ピカイチ投手」を紹介する。

 154キロの剛球でスカウトの度肝を抜いた。九州産の梅野が3月28日の東海大福岡との練習試合で自己最速を更新した。驚異のスピードガン表示にネット裏の巨人、阪神、DeNAのスカウトたちは驚きを隠せなかった。

 高校入学時は120キロ台だった。2年秋県大会準決勝、福岡大大濠戦でノーヒットノーランを達成し最速は149キロに伸びた。一躍、ドラフト候補に浮上し、3月中旬の鶴崎工戦でも151キロを計測し完封した。最後の夏となる福岡大会へは「155キロは出せそう。小野郁さん(西日本短大付-楽天)の最速153キロを更新して優勝したい」とさらなる成長を誓った。

 昨年秋九州大会8強に終わりセンバツを逃した悔しさが原動力だ。200キロのバーベルを床から腰付近まで持ち上げるまで鍛え「もともと強かった背筋が強くなり球が速くなった」という。高校入学時から身長は10センチ伸び175センチ、体重も14キロ増の80キロ。東福岡ラグビー部に所属歴がある父譲りの身体能力も高く、保育園から体操を始め、バック転を得意にしていた。高校では逆立ち歩きや縄跳びも導入し、さらにパワーもアップした。

 平川剛監督(46)は「スカウトからは身長は低いが、体のサイズのわりには力強くフィールディングもいいと評されている」と言う。梅野が「直球でグイグイ押すところが同じ」と目標にする広島大瀬良ばりに強気の投球で頂点を狙う。【菊川光一】

 ◆梅野雄吾(うめの・ゆうご)1999年(平11)1月13日、佐賀県生まれ。野球は小5で始める。中学で佐賀フィールドナインに入り中3で九州大会優勝。九州産では2年春からエースで、昨秋の九州大会ベスト8。変化球は最も自信を持つカットボールをはじめ縦のスライダー、チェンジアップ、カーブ。175センチ、80キロ、右投げ右打ち。