打っても、投げてもスゴいんです! 高校野球特集の第2回は日刊スポーツ記者が全国の有望選手にスポットを当てる「ピカイチ打者編」。明秀学園日立(茨城)の細川成也外野手(3年)は、高校通算59本塁打を放ち、投げては最速146キロと、投打でハイレベルな二刀流だ。プロも注目するスラッガー&右腕が、この夏の大暴れを目指している。

 細川のバットから描かれる放物線は、高校生レベルではない。希少な右の大砲には多くのプロスカウトも熱視線を送る。ただ、打球の勢いと違い、知名度はまだ全国区に伸びていない。いわきリトルシニアでは全国大会出場はなく、目立った活躍はできなかった。

 転機は高校入学だった。「金沢監督の指導を受けたい」と、金沢成奉監督(49)のいる同校を選んだ。そして、巨人坂本らを高校(現八戸学院光星)時代に指導した同監督の下、一気に開花。1年時は2本塁打に終わったが、冬場に同監督と二人三脚で打撃を徹底改造すると、2年から本塁打を量産。金沢監督は「長打力は、坂本や北條(阪神)や田村(ロッテ)ら教え子の中でも別格」と眠りからさめた天性のスラッガーの適性を高く評価している。

 また、肩も強く中学時にはジャベリックスロー(やり投げ)で中学全国2位。77・42メートルは、当時の大会新だった。投手としても成長。最速146キロの本格派で、スライダーも130キロを超えてくる。

 今春県大会は2回戦で石岡一に0-7でまさかのコールド負け。今夏は1回戦を勝ち抜けば、再び石岡一と相まみえる。細川は「あの春の試合を負けたのは僕の投球のせい」と話す。雪辱を果たして勢いに乗り、同校初となる甲子園出場を狙っている。【高木遊】

 ◆細川成也(ほそかわ・せいや)右翼手・投手 1998年(平10)8月4日生まれ。茨城県北茨城市出身。小3時に北茨城リトルで野球を始める。中学時代は福島のいわきシニアに所属。明秀学園日立では2年春からベンチ入り。50メートル6秒2、遠投100メートル。2学年下の弟・拓哉も明秀学園日立でプレーしている。181センチ、85キロ。右投げ右打ち。