プロ注目のサブマリン、桐光学園(神奈川)中川颯投手(3年)が投打に好発進した。投げては3安打3奪三振で完封。「相手は変化球が合いそうだったので」と94球中、変化球はボールになったスライダー1球のみ。直球をコーナーに投げ分けて攻め切った。

 最善の布陣を敷いた。野呂雅之監督(55)は「夏の初戦は決勝と同じくらい大切。今日勝つには中川。うちの一番いい形で」と先発を任せた。参加校が多い神奈川で、開幕から初戦まで1週間待った。連日6イニング制の紅白戦を実施し、試合感覚を保持させた。

 打っても5回1死二、三塁で左中間へ2点三塁打。春に続いて中軸に座り、2打点2得点で7回コールドに持ち込んだ。4番でエース。文字どおりの働きをした中川は「今年は自分が投げて自分が打って勝つ、という気持ちでやっています」と端正なマスクをほころばせた。【鎌田良美】