イチローの執念! 山形中央の1番・鈴木一朗内野手(3年)が逆転での4強入りへ大きく貢献した。8回裏、6番秋葉の本塁打で4-4の同点に追いつき、なお1死二、三塁。「何とか食らいついていこう」と変化球を狙い、勝ち越しの左前適時打を決めた。これをきっかけに、続く3番梶熊が中越え三塁打、4番大泉が右翼場外弾を放つなど突き放しに成功。2時間47分間に及ぶ熱戦を制した。

 庄司秀幸監督も「イチローは1本欲しい時に打ってくれるので頼りになる」と目を細めた。この日の早朝には、海の向こうで本家イチロー(マーリンズ)が3安打し、メジャー通算3000本安打まで6本としていた。「あちら(本家)はすごすぎて、もうよくわからないくらいの存在ですけど(笑い)。同姓同名ですから。自分もこれからたくさんヒットを打っていきたい」と笑顔で話した。

 今夏のチームテーマは「日本一の挑戦者」。試練を乗り越えながら頂点を目指す構えだ。山形のイチローも最後の夏。「自分は勝手に長井のイチローだと思っているので。それに見合う活躍をしたい」。安打量産で生まれ育った長井市を代表する名選手になる。