南北海道大会決勝は今春の札幌地区予選代表決定戦と同じ顔合わせとなった。創部30年目で夏は初の甲子園切符を狙う札幌日大は、今春のセンバツに出場した札幌第一の猛追を継投でかわして、6-4で4年ぶり2度目の決勝進出。

 快勝ムードが一転、昨秋王者の猛追に遭った8回、ついに札幌日大の背番号1が、今大会初めてマウンドへ上がった。最大5点あったリードは、いつの間にか3点差に。2死満塁で先発の大嶋を救援したエース倉内は「心の準備は出来ていた」。押し出し死球で1点を失ったが、続く打者を二ゴロに仕留め最大のピンチを脱した。1回1/3を投げ、1安打無失点。最速144キロ右腕は「監督が『後は俺が責任を取るから、腹をくくってやり切って来い』と送り出してくれたので、自分の直球を信じた」と25球オール直球勝負で仁王立ちした。

 道大会の決勝進出は、3季通じても準優勝した12年夏が最後。13~14年の間には、3度も4強の壁にはね返された。何かを変えたかった。新チーム始動後、真っ先に目標設定を「甲子園1勝」から「全国制覇」に変更。ホワイトボードに大きく書き、室内練習場の靴箱に立てかけた。

 打線は絶好調。日替わりで3投手が活躍と、ヒーロー不在で南大会を勝ち抜いた。「夏の借りは、夏に返すしかない」(大嶋)と、まずは4年前の決勝で1点差負けした札幌第一に雪辱。さぁ、決勝戦。悲願の夏初切符を、今年こそ手に入れる。【中島宙恵】