佐賀大会は準々決勝2試合が行われ、佐賀商が「全国制覇校対決」となった佐賀北との壮絶な打撃戦を制し、3年連続で4強に進んだ。8回に2点差を追いつかれたが、9回2死満塁から走者一掃の3点適時三塁打が飛び出し粘り勝ち。前回負けたリベンジを果たした。08年以来16度目の優勝へ、難敵撃破で弾みをつけた。

 94年に県勢初の全国制覇を果たした佐賀商が、07年に全国優勝した佐賀北との激闘を制した。6-6で迎えた9回に「先輩」の意地がさく裂した。8回から守備固めで起用された6番・上田哲平内野手(2年)が夏初打席で、森田剛史監督(44)が「伏兵」と評す期待に応えた。2死満塁で「つなぐ気持ちだった」と強振した真ん中高めの直球は右越え三塁打となり、一挙3得点。最終回に1点を返されたが、9-7の粘り勝ちで3年連続の4強入りを果たした。

 苦しかった。2回に4点を先制した。しかし課題の投手陣がピリッとしない。先発の大島雄偉投手(3年)がボークを与えるなど精彩を欠き2回0/3を投げ3失点で降板。森田監督が「準決勝、決勝があるので出したくなかった」と話した9回途中登板の三島康維内野手(3年)まで計5投手をつぎ込む必死のリレー。投手のフィルダースチョイスなどミスが多く、8回に同点とされたことに試合後、すぐに選手が集められコーチから大声で雷が落とされた。試合には勝ったが、森田監督が「取って取られて苦しいすごい試合だった。あのしぶとさは何なんでしょうか」と言う佐賀北の執念にてこずった。

 佐賀北が07年に全国制覇した翌年からの「全国V校対決」第2ラウンドで、前回敗れたリベンジを果たした。高校通算32本塁打の4番・野中翔太捕手(3年)は「課題が残ったが勉強になった。気を引き締めて次も勝つ」と前を向く。16度目の夏切符まであと2勝。難敵撃破でチームが引き締まった。【菊川光一】

 ◆夏佐賀大会の「全国V対決」 佐賀北が「がばい旋風」で夏全国Vした07年の翌年から、佐賀商との「日本一対決」は今夏で2度目。14年準決勝では延長11回の激闘の末、佐賀北が4-3で佐賀商にサヨナラ勝ち。今回は佐賀商がリベンジした。

 ◆佐賀商の94年全国制覇VTR 2、3回戦で逆転勝利して勝ち上がった準々決勝では北海(北海道)に序盤から主導権を握り6-3。佐久(長野)との準決勝は土壇場9回に2点差を追いつき、延長10回に3-2のサヨナラ勝ち。樟南(鹿児島)との決勝は4-4の同点で迎えた9回に決勝満塁本塁打で勝ち越し、佐賀県勢初の優勝を果たした。2年生エース峯謙介投手が全試合完投で貢献した。