3年連続で夏の甲子園出場を目指す静岡が、横須賀に15-4で6回コールド勝ちした。俊足強打でプロ注目の鈴木将平主将(3年)は、高校通算19号となる2点本塁打を含む4安打4打点。チーム14安打15得点の起爆剤になった。17日に復帰したエース村木文哉(3年)は温存。頂点をつかむ準備が整ってきた。

 2-2で迎えた3回裏無死二塁、内角スライダーを捉えた鈴木将の打球が、高々と舞い上がった。両翼100メートルと広い草薙球場の右翼席に飛び込む2ランで高校通算19号。公式戦では2発目の本塁打となり、笑顔で仲間とタッチ。三塁側の静岡応援席が一気にヒートアップした。

 鈴木将 伸びてくれ! と思い全力で走りました。大勢の人が応援している中で打てて気持ち良かったです。

 第1打席から爆発の予感はあった。1回裏一死二塁から先制の右前適時打。「良い感じで抜けてくれて、今日はついてるなと思いました」。本塁打の後の第3打席では遊撃強襲の適時打、先頭で迎えた6回の第4打席では、50メートル5秒8の快足を飛ばして三塁打。4安打4打点で、二塁打が出ればサイクル安打の状況だったが、6回コールド勝ちが決まり、次の打席は回ってこなかった。「(三塁打を)打った後に気付きましたが、そこ(記録)は意識しなかったですよ」。

 今春、打順は定位置だった1番から3番に変更も、しっかりと適応している。「みんなが自分につなごうとしてくれるし、後ろに4、5番が控えてくれる。このチームではハマっていると思います」。栗林俊輔監督(43)も「チームを引っ張る意識も強い。さすがですね」と主砲をたたえた。大量リードの展開にエース村木は温存。残り4戦を前に頂点への見通しが明るくなってきた。【鈴木正章】