花咲徳栄(埼玉)のプロ注目左腕高橋昂也投手(3年)が、6回参考ながらパーフェクトで準々決勝進出を決めた。18日の入間向陽戦に続き先発し、プロ4球団のスカウトの前で堂々の投球を披露。奪った三振は14。空振り三振が10を数える迫力満点の投球だった。快挙にも、高橋は淡々と「直球がよく走った。コントロールも良かった」と言うだけだった。

 集まったスカウトも目を丸くした。4回戦で記録した自己最速149キロを、この日もマーク。巨人山下スカウト部長は「100点満点のピッチング。大学生を含めてもトップクラスで今秋のドラフト1位もある」と、実力に太鼓判を押した。

 ここまでの4試合は全てコールド勝ち。そのうち高橋は3試合に登板。最初は1回、次は6回で救援を仰ぎ、この日は完全試合。春は腰痛で悩んだエースの完全復活に、岩井隆監督(46)も「真っすぐで三振を奪うなど、本来持っているものを出せていた」とニッコリだ。

 人生初の完全試合だが、本人は冷静だ。10人を超える記者に囲まれたが、笑顔ひとつ見せず「調子が良かっただけです」と謙遜した。今の気持ちは? との問いにも「明日も試合なので、気を抜かず過ごしたいです」と引き締めた。目標の3季連続甲子園に向け、視界は良好だ。【杉山理紗】