城東(東東京)のプロ注目右腕・関根智輝投手(3年)が、「アメトーーク」効果で帝京を撃破した。初回に2ランを浴びるなど毎回走者を出して9回12安打6失点も、142球の熱投で4強入りに導いた。「前回より球は走らないし、コースも甘くて打たれた。(自己採点は)30点で赤点だけど、仲間に助けてもらった」と感謝した。

 度重なるピンチを笑顔で乗り切った。13日に胃腸炎で39度超えの高熱を出し、15日の初戦を欠場。エース不在で乗り切った池上茂監督(54)は、16日に放送されたテレビ朝日系「アメトーーク」の高校野球企画を見てひらめいた。14年夏の石川大会決勝で、星稜が9回8点差を逆転。「星稜のように、苦しい時こそ笑おう」と選手に話した。5回戦で勝った東海大高輪台から受け取った千羽鶴は、偶然にも星稜のスローガン「必笑」。関根も苦しい表情を出さず、140キロ前後の直球を投げ続けた。

 1点リードの9回2死一塁では、応援席から「あと1球」コールに後押しされた。「初めてでビックリした。絶対に抑えようと思った」と力に変えた。胃腸炎が回復しても試合前夜は親子丼、当日の朝はうどんを食べて調子を整え、2試合連続で1点差ゲームを完投。「都立の星と言われることはうれしいけど、そこまで実力はない。1つずつ勝つだけ」。病み上がりのエースは、15年ぶりの甲子園を決めて笑うつもりだ。