全国高校野球静岡大会準決勝が今日26日、静岡市の草薙球場で行われる。初の決勝進出を目指す袋井は、午前中に3時間の練習。初戦から4連投中のエース稲垣淳之介(3年)だが、「疲れていません」と言い、浜松商との大一番に備えた。

 延長10回の激闘となった準々決勝日大三島戦から一夜明けた25日、袋井ナインは、午前9時からグラウンドにいた。アップから打撃練習にシートノック。約3時間みっちりと汗を流し、みな充実の表情だ。

 初戦から4試合で計37回482球を1人で投げた稲垣は、キャッチボールで入念に指先の感触を確かめた後に言った。「思ったより疲れはありません。明日も今まで通り、緩急を使って打たせて取る投球をしたいです」。浜松商には今春の西部地区大会3回戦で勝利しているが、「バントもうまく足もある。ヒットをいくら打たれても、点を取られないようにしたい」と気を引き締めた。

 4番で捕手の進藤中主将(3年)も稲垣の成長を実感している。「球質はもちろん、気持ちが変わってきました。春までは『自分が自分が』でしたが、今はバックを信じて打たせて取るようになりました」。

 右腕の稲垣は最速136キロの直球、80キロ台のスローカーブ、チェンジアップを駆使している。だが、浜松商にも80キロ台のスローカーブを投げ、静岡との4回戦で好投した左腕の増田理人(2年)がいる。状況によっては「スローカーブ対決」になるが、目が慣れていることで、打ち合いも想定される。進藤は、1年からバッテリーを組む相棒を思いながら言った。「(稲垣は)疲れは残っているはず。リードはもちろん、4番として打って貢献したいです」。

 30年ぶりの4強進出に地元も沸いている。今日の準決勝は全校応援が決定。原田英之市長(73)も観戦予定だ。「全校生徒の応援は大きな力になります」と稲垣。大声援を力に、同校初の決勝進出を目指す。【鈴木正章】