京都翔英の強力打線が最後まで衰えることはなかった。14安打11得点で福知山成美を圧倒。全試合2桁安打で初の夏の甲子園出場を手にした。

 初回に2者連続二塁打などで2点を先制すると手が付けられない。3回は9番栄本廉内野手(3年)が2点適時二塁打を放つなど4点を追加した。その後も鍛えてきた打撃力を思う存分、披露した。

 今大会のチーム打率は4割3分3厘。浅井敬由(けいゆ)監督(56)が行った打撃練習の結果でもあった。浅井監督が昨年12月に就任してから、冬場のトレーニングと並行して、1人7分のマシンの打ち込みを1日3セット行った。浅井監督は「大会前から手応えがあった。前は打線にムラがあったが、全員がつながり始めた」。栄本も「こんなに打ち込むことなかった。浅井監督になってからバットを振る体力ができた」と振る力もスイングスピードも増したと実感している。

 試合後、浅井監督は「できすぎて」と話すと、目頭を押さえて言葉を詰まらせた。就任1年目での甲子園出場に「こんなことあっていいのかな」と信じられない様子だった。甲子園という初舞台でも自慢の打線を大暴れさせる。【中島万季】

 ◆京都翔英 1984年(昭59)創立の全日制単位制の私立校。94年から現校名、97年から男女共学化。生徒数は859人(女子172人)。野球部創部は94年、部員66人。甲子園は春1度、夏は初出場。主なOBはサッカーJ2清水DF角田誠。所在地は宇治市莵道大垣内33の10。堤清彰校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦14-0久御山

3回戦11-0洛星

4回戦6-5北稜

準々決勝9-0京都文教

準決勝9-2立命館宇治

決勝11-1福知山成美