田野誠監督(45)の「邪魔しない作戦」が奏功した利府が、ノーシードで2年ぶりに決勝に進出した。

 1点を追う4回無死一塁、6番・立川裕二内野手(2年)に犠打のサインを出したが、立川のバントは投前に転がり、一塁走者が二塁フォースアウト。チャンスを生かせなかった。

 田野監督は「打順も打順だったのでね。あまりバントはしないんだけど。生徒の力を邪魔しちゃいけないな」と、自信のある打力での勝負に出た。

 6回に同点に追いつき、7回2死二塁からは、1番・小池麗士外野手(2年)がカウント3ボールから右前に勝ち越し打を放った。「待て、のサインを出さなかった。(小池)麗士はカウントに関係なく打つので。邪魔しない方がいいと思って」と笑った。

 第1シードの東陵を逆転で撃破して、2年ぶりの優勝に王手をかけた。「勝てるとは思っていなかった」と言う田野監督は、名取北を率いていた時に岸孝之(西武)を育てている。「まだ(祝福の)メールは来てないと思うよ」と、教え子からも邪魔はされていない?