第98回全国高校野球選手権大会(7日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が4日、大阪市内で行われた。優勝候補の履正社(大阪)の初戦は第2日第3試合で高川学園(山口)に決定。20年東京五輪の追加種目として野球・ソフトボールの復活が決まり、寺島成輝投手(3年)もメンバー入りに意欲。甲子園制覇の次に、履正社の先輩、ヤクルト山田らと世界の頂点を目指す目標を定めた。

 6年ぶりの夏初戦は、エースに託された。山口裕次郎(3年)ら複数の好投手を擁する布陣で、岡田龍生監督(55)は「寺島で行きます」と明言。初めて対戦する高川学園戦に向け、寺島は「どのチームが来ても、自分の投球をする。好投手がいると聞きました。自分もゼロに抑える」と甲子園で完封デビューを狙う。

 テンションもモチベーションも上がるニュースが、この日の朝に飛び込んできた。寺島が22歳になる20年東京五輪で野球が復活することが決定。「その中に入りたい。五輪のメンバーに選ばれるように頑張りたい。ずっと目標にしたいです」と目を輝かせた。

 甲子園出場を果たし、大会後のU-18高校日本代表入りに大きく前進。日の丸を背負い、エース格の活躍が期待される。さらに今秋ドラフトを経て、日本ハム大谷らのようにプロ1年目から主力で活躍すれば4年目での侍JAPAN入りは夢ではない。今の侍JAPANの軸、ヤクルト山田と共闘する夢が現実になる。夏出場のお祝いにTシャツなどの差し入れを準備してくれている先輩とともに、甲子園制覇の次は世界一を目指す。未来が広がる。

 午前中の甲子園練習で初めて上ったマウンドは「どこの球場よりもいい。気持ちを全面に出して、150キロは出してみたい」と意欲を見せた。熱望していた横浜との対戦、藤平尚真(3年)との投げ合いは初戦では実現しなかったが、互いに勝ち進めば2回戦以降で対決する可能性がある。全国NO・1から世界NO・1へ。寺島の夏が始まる。【堀まどか】