さあ、相手は決まった。第98回全国高校野球選手権(7日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が4日、大阪市内で行われた。7年ぶり22度目出場の東北(宮城)は横浜(神奈川)と9日の第3試合で激突する。優勝候補との対戦となったが、選手たちは歓迎ムードだった。

 待ってろ横浜! 東北ナインが、優勝候補との対戦に闘志を燃やした。すでに第3日の第3試合に決まっていた東北の隣を横浜が引いた瞬間、この日一番どよめきと歓声が上がった。エース左腕・渡辺法聖(3年)は「やってやろうって気持ち。みんなワクワクしている」と気合を入れた。公式戦ではコーチ時代の07年明治神宮大会準決勝(3-6)で対戦している我妻敏監督(34)は「渡辺がキーマン。やるしかない。相手は巨大戦力の横綱。当たって砕けろ」と話した。

 神奈川大会新記録の14本塁打を放った強力打線を封じ込む。テークバックをほとんどとらない変則投法の渡辺は「出どころが見えづらいのが自分の長所。甘く入ると持っていかれるので、緩急使ってタイミングを外していければ」と攻略のイメージを膨らませる。最速139キロの直球と変化球でコースを丁寧に突けば、大量失点は考えにくい。

 旧友と再会する場にもなった。相手主砲の公家響主将(3年)は小学生の時に選ばれた楽天ジュニアの同期。先に甲子園を決め、公家から届いた祝福のLINEに「横浜が甲子園に出たら、初戦で当たると思う」と返信すると、公家からも「俺もそう思う」と返ってきた。渡辺は「まさか当たると思わなかった」と困惑しつつも気を引き締めた。

 昨夏の甲子園決勝では、仙台育英が東海大相模に敗れた。去年と同じ県勢同士の決戦に我妻監督は「宮城72校の代表として絶対に勝ちたい。仙台育英に勝ったチームが簡単に負けちゃいけない」と強気に宣言。渡辺も「相手は強豪だけど、甲子園に出た以上は日本一が目標」と力を込めた。7年ぶりにつかんだ夏の聖地で、東北の真価がいきなり問われる。【高橋洋平】