13年に西武高橋光を擁して初出場Vを飾った前橋育英(群馬)が、初戦で散った。2点リードの7回、鉄壁の守備にほころびが出た。バント処理のミス(記録は内野安打)や押し出し四球などで一挙8失点。夏の甲子園は通算7試合目で初黒星を喫した。荒井直樹監督(51)は「初の甲子園くらいの意識で臨んだ。ミスで相手に火を付けた」と悔やんだ。

 同時に弟たちの夢も終わった。伝令に出た高橋光の弟、亮成内野手(3年)は「あっという間に終わってしまった。ここで6回勝った兄は本当にすごい」。主将で4番の小川は、5回に左中間二塁打を放つも三塁で走塁死。3年前に高橋光とバッテリーを組んだ兄駿輝さんと、同校チアリーダーの妹紗弥さん(1年)が応援する前で、得点には絡めなかった。「ずっと兄を超えたいと思って練習してきた。でも試合中、仲間ともっと野球がしたいという気持ちに変わった。1日で終わってしまったことが、今は寂しいです」と、赤い目で涙をこらえた。【鎌田良美】