北海(南北海道)は大西健斗投手(3年)が3試合連続で完投。聖光学院(福島)を下し夏20勝目で、88年ぶりの4強入りを果たした。今日19日は休養日で、準決勝は20日に行われる。

 イケメンエースは、ハートの強さも一級品だ。北海のエース大西が、初戦から3戦連続完投で、チームを88年ぶりの4強に導いた。立ち上がりの1回こそ、失策と2死球で1死満塁のピンチを招き、右前打などで3点を失った。だが、2回以降は走者を背負いながらも、気迫の投球で得点を許さず。「(聖光学院は)どこからでも打ってくるし、足を使ってくるので、しんどかった」と苦心の116球を振り返った。

 インターネット上では、早くから「V6岡田准一似」と話題を呼んだ。小学4年頃から、会う人会う人に言われ続け「自分では分からないけど、慣れちゃいました」。甲子園行きが決まってからは、札幌市内の地下鉄で声をかけられることが増えた。「おばあちゃんとか年配の方が多いけど、それがうれしい」。持ち前の人なつっこい笑顔で、老いも若きも女性のハートをがっちりつかむ。

 本格的に投手に挑戦したのは高校入学後。創部116年目の名門で、エースと主将の重責を担う。「甲子園に出ている投手の中ではスピードもないし、球種も少ない。制球が大事だと思って投げてきた」。最速は140キロ台前半で、試合で使う変化球もカーブと2種類のスライダーだけ。試合後、相手ベンチへの一礼を欠かさない礼儀正しい右腕が、古豪復活の命運を握っている。【中島宙恵】