秀岳館は熊本県勢の春夏通算100勝目で2季連続でベスト4に進出した。今日19日は休養日で、準決勝は20日に行われる。

 左翼手がフェンスについて上空を見上げている。「いったな」。秀岳館・天本は確信した。打った直後は「少し詰まった。でも強いスイングはできた」と走りだし、滞空時間の長い白球に価値ある結果を求めた。常総学院の好投手左腕、鈴木昭に浴びせた先制本塁打は2回裏、先頭で飛び出した。

 天本の一撃で主導権を握り、秀岳館はこの夏3勝目。熊本県勢は甲子園春夏通算100勝だ。鍛治舎巧監督(65)は「熊本のみなさんに、またひとついい報告ができます」と勝利の味に深みを感じた。この試合5安打ながら松尾が3回に左翼へ本塁打。6回2死から広部の二塁打から相手守備の乱れを誘い2点を追加。一打ごとに重みがあった。

 「春以後の振り込みで、腰のすわったスイングができています」と、天本が打撃力増強を解説する。天本への激励メールは1日100件を超えるときもある。1件1件に返信するが「今は時間がないので、この夏が終わってからにさせていただきます」と言う。そこに「日本一」が刻めるか。

 01年夏に甲子園初出場して、最初に対戦して勝った常総学院に再び勝利。勢いがつき、春夏連続4強から、さらに上が見えてきた。【宇佐見英治】