これが甲子園優勝投手の実力だ。作新学院(栃木)の今井達也投手(3年)が24日、千葉・習志野市内で行われたU-18(18歳以下)アジア選手権(30日から6日間、台湾・台中)に臨む高校日本代表の合宿に合流した。最速152キロ右腕は連戦と移動の疲れも見せず、いきなりブルペン入りを志願して35球。見守った横浜・藤平や履正社・寺島らBIG3も驚かせた。

 自慢の速球が、捕手の構えるミットに「バーン」と音を立てて突き刺さった。完投した甲子園の決勝からわずか3日。今井は「抜ける球が多かった」と厳しかったが、寺島は「藤平と『疲れてないんかな?』と話していた。ビシビシ直球を見せられて刺激になった」。小枝守監督(65)は「速すぎる。疲れてるだろうから『止めてほしいなぁ』と思うくらい」と目を細めた。

 合流初日から笑顔でチームに溶けこんだ。前日23日は登校日で授業を受け、クラスメートから写真撮影やサイン攻めにあった。今日25日と明日26日に行う大学生との練習試合にも登板予定で、27日は大学日本代表との壮行試合(QVCマリン)に臨む。「藤平君も寺島君も、みんなフォームにムダがない。軽く投げても球筋がいい。成長に必要なものを取り入れたい」。今夏の主役は、どん欲に上だけを目指す。【鹿野雄太】