【台中(台湾)=和田美保】U18(18歳以下)アジア選手権(30日~9月4日)に出場する高校日本代表が28日、決戦の地へ到着した。開幕投手は「BIG3」の一角を担う、履正社(大阪)寺島成輝投手(3年)が有力となった。投打二刀流としても期待される世代NO・1左腕が、まずは香港との初陣で白星を挙げ、チームを勢いづける。

 14年準優勝の借りを返すべく戦うアジア選手権。香港と迎える初戦は力関係にかかわらず、大事な意味を持つ。小枝守監督(65)は開幕投手について「精神的に安定して興奮するわけでもなく、かといって臆病になるわけでもない選手を見極めたいと思う」と明言を避けたが、ここまでの調整法などから、履正社・寺島の可能性が高まった。

 最速150キロ左腕は台湾入り後、仲間とともに台中棒球場で約2時間の夜間練習を行った。「移動で時間を取ったので体をほぐすことを意識しました」。リラックスした表情でBIG3の横浜・藤平、花咲徳栄・高橋らと汗を流した。投手では藤平と2人だけが、打撃練習にも参加。起用法については言われてないが、「打つより投げることの方が好き。先発でいきたいですが、役割を果たすことが大事」とその時を待つ。

 甲子園優勝投手の作新学院・今井の存在が闘志に火をつけた。27日の大学日本代表との壮行試合で、今井は最速151キロを計測。大学のドラフト候補から直球を決め球に5三振を奪った。自身も1イニングを無失点に抑えたが差を感じた。「今井はレベル1つ抜けている。負けないようにしたい」と交友を深めながら、成長の糧にしている。

 茨木東中3年の夏に「箕面ボーイズ」で世界少年野球大会に出場し優勝した。自身2度目の「海外V」に向け、モチベーションは高い。「絶対に優勝したい。日本を背負っているというのもあるし、もっと気持ちの上乗せをしていきたい」。3回戦(常総学院)で敗れた甲子園の悔しさを晴らすには、十分すぎる舞台だ。