夏の借りはセンバツで返す! 今夏決勝敗退の角館が残り1枚の東北大会切符をつかみ、史上初の県南地区3校同時出場を決めた。4-4の8回1死満塁、165センチ、55キロの3番高橋夏南人(かなと)内野手(2年)が勝ち越し右前打を放った。「前の打者がつないでくれた。昨日負けていたので、絶対勝つんだという気持ちで打席に入った」。直球を待ちながらも、内角に甘く入ってきたスライダーに反応し一、二塁間を破った。

 チーム最小兵ながらハッスルプレーでチームをもり立てた。7回は気迫のヘッドスライディングによる遊撃内野安打で出塁し、そこから同点に追いついた。この日3度の凡退はすべてフライだったこともあり「フライを打ってもプラスにはならない。強いゴロを打てば何かある」と反省。湯沢淳監督(41)は「決して身体能力は高くないが、経験と技術はある」と3番起用の意図を説明した。

 大曲工と激突した今夏の決勝は8回に5点を奪われ、逆転負けで甲子園出場を逃した。背番号14ながら「2番サード」で先発した高橋夏は無安打2三振に終わった。「決勝では全然打てなかった。センバツに出て、先輩たちに恩返ししたい」と力を込めた。