静岡(静岡3位)が、海星(三重1位)を8-1の8回コールドで退け、準決勝に進出した。大会上位2校が当確となるセンバツ出場へ王手をかけた。スクイズや犠飛で着実に加点し、エース池谷蒼大(2年)が8回を10三振1失点で投げきった。

 静高が逆転勝利で県勢最後のとりでになった。0-1で迎えた5回裏に畳みかけた。1死一、三塁、2番村松開人内野手(1年)が同点スクイズを決め、相手の暴投で1死二、三塁とチャンスを広げた。3番稲角塁内野手(2年)は勝ち越し犠飛。4番の成瀬和人外野手(1年)も右前適時打で続き、チーム3点目を奪った。

 村松は同点スクイズに加え、3安打2盗塁と活躍。50メートル5秒9の俊足を生かした。「スクイズはサイン通りです。終盤での粘りが持ち味なので、先制されても焦りはなかったです」。1年で4番を務める右打者の成瀬は、右方向への適時打に「練習の成果が出ました。調子の良いときのバランスを思い出してきました」と手応えを口にした。

 今年の静高打線には、2学年上で、楽天に入団した堀内謙伍捕手(19)や、今月20日に西武からドラフト4位指名された鈴木将平外野手(3年)のようなスター選手はいない。この日も10四死球を選び、5盗塁と足も絡めながら、粘り強く着実に得点を重ねた。

 エース池谷も打線の奮起に応えた。「後半はチームに流れを呼び込むピッチングができました」。140キロ超の直球を軸に、海星打線を5安打にねじ伏せた。2年ぶりのセンバツまであと1勝。栗林俊輔監督(44)は「相手も必死でしょうし、まだここからです」。29日に控える三重(三重3位)との準決勝を見据え、表情を引き締めていた。【鈴木正章】