第89回選抜高校野球大会(3月19日から12日間、甲子園)の選考委員会が27日、大阪市内で行われ出場32校が決まった。注目選手をピックアップ。

 今大会は打者に逸材が目立つ。

 筆頭は高校通算78本塁打の早実・清宮幸太郎内野手(2年=184センチ、97キロ、右左)。スイングスピード、打球の速さ、ミート力とすべてずば抜けている。1年夏以来となる甲子園でさらに進化した姿を見せてくれるはずだ。

 東が清宮なら西は履正社・安田尚憲内野手(2年=188センチ、92キロ、右左)。通算本塁打は45本。昨夏の甲子園でも4番を打ち、秋の神宮大会では右中間に特大本塁打をかっ飛ばしている。三塁守備の動きも悪くない。

 この2人に体格では上回るのが日大三の「デカプリオ」こと金成麗生内野手(2年=左左)。193センチ、101キロの巨体。昨秋東京大会決勝戦では本塁打を含む4安打5打点と大暴れし一気に注目が高まった。

 智弁学園の強打者コンビ、太田英毅内野手(2年=176センチ、78キロ、右右)、福元悠真外野手(2年=178センチ、75キロ、右右)からも目が離せない。智弁学園は巨人岡本、ヤクルト広岡と近年ドラフト上位指名の強打者を輩出しているがこの2人も将来性十分だ。

 捕手では福岡大大濠・古賀悠斗(2年=174センチ、74キロ、右右)がNO・1か。夏までは遊撃手だったが二塁まで1・8秒台のスローイング、そして通算40本超の強打が持ち味。神宮大会で本塁打を放ちプロの評価も急上昇だ。

 内野手では仙台育英・西巻賢二(2年=167センチ、60キロ、右右)と宇部鴻城・嶋谷将平(2年=177センチ、70キロ、右右)の両遊撃手も評価が高い。西巻は1年夏からベンチ入りし夏の甲子園準優勝を経験。嶋谷は神宮大会では攻守ともにキラリと光プレーを見せた。

 外野手では盛岡大付・植田拓(2年=165センチ、75キロ、右右)、履正社・若林将平(181センチ、86キロ、右右)、明徳義塾・西浦颯大(2年=175センチ、70キロ、右右)に注目したい。植田は小柄だが背筋力は230キロ。昨夏の甲子園で巨人入りした創志学園・高田から本塁打を放つなどパンチ力十分。50メートル5秒台の足も魅力。若林も昨夏からのレギュラーで安田とともに強力打線を引っ張る強打者だ。西浦は走攻守3拍子揃うが、中でも強肩に注目。

 1年生にも逸材がいる。早実・野村大樹内野手(172センチ、80キロ、右右)と大阪桐蔭・根尾昂(あきら)内野手(176センチ、74キロ、右右)、報徳学園・小園海斗内野手(178センチ、73キロ、右左)。野村は清宮の後の4番に座り、東京大会決勝でサヨナラ本塁打を放つなど勝負強い。根尾は中学時代から投打で注目。投げても最速146キロをマークするなど甲子園でどんなプレーを見せてくれるか待ち遠しい。小園も中学時代から鳴らし、高校入学後即遊撃のレギュラーとなった。

 投手では熊本工の最速149キロ右腕、山口翔(2年=181センチ、74キロ、右投げ)に注目。制球にやや難があるがストレートは魅力十分の九州NO・1右腕だ。同じ九州の福岡大大濠・三浦銀二(2年=175センチ、70キロ、右投げ)は制球力抜群。神宮大会でも安定した投球を披露した。

 東海大市原望洋・金久保優斗(2年=180センチ、72キロ、右投げ)は140キロ台の直球とスライダーが武器。ひと冬越してどこまで成長しているか楽しみな素材。 左腕では仙台育英・長谷川拓帆(2年=177センチ、80キロ)、日大三・桜井周斗(2年=177センチ、78キロ)、静岡・池谷蒼大(2年=173センチ、74キロ)に注目。いずれも140キロを超す直球を投げる。桜井は東京大会決勝で早実・清宮を5打席連続三振に仕留めた。池谷は最速144キロの速球が武器。

 この他、大阪桐蔭の最速145キロを誇る徳山壮磨、同144キロの香川麗爾(2年)、履正社のエース右腕、竹田拓(2年)、秀岳館の左腕コンビ、田浦文丸と川端健斗(ともに2年)にも注目したい。