大輔さん、覚えてくださ~い! 昨季限りで現役引退した前DeNA三浦大輔氏の母校高田商(奈良)が23年ぶり3度目のセンバツ出場を決めた。

 自身の曽祖父が三浦氏の家系とつながっており、遠い親戚の三浦育真内野手(2年)は「秋の大会は試合の終盤に出ることが多かった。センバツでも最後に出ることになったら、チームが苦しい中でも笑顔を作って、雰囲気を変えたい」と意気込んだ。

 三浦氏とは橿原市内の実家同士が隣。直接触れ合う機会は少ないが、小学生の頃は三浦氏の父にノックを打ってもらっていた。幼少期から憧れ「家のカレンダーはいつも(現役時代の三浦氏がメインを飾った)4月で止まってしまうんです」と周囲を笑わせた。昨年12月の後援会の会合では2ショット写真を撮ったが「大輔さんは僕が制服を着ていたんで『おお~高商や~』って感じで、僕のことを認識してもらっていない。僕が一方的に知っているだけ」と近くて遠い存在なのが“番長”だ。

 もちろん、甲子園出場により、三浦氏の母校に対する関心もより深まることだろう。育真は「もし話す機会があったら、僕が高田商にいるっていうことを証明して、知ってもらって、応援してもらいたい」と無邪気な笑みを浮かべた。「まだ実感がない」と語る聖地行きの切符は、高田商はもちろん、育真にとっても貴重なものになりそうだ。【松本航】