部員10人で昨秋の岩手大会準優勝に輝いた不来方(こずかた)が27日、21世紀枠に選出され、創部29年目にして春夏通じて初の甲子園出場を決めた。

 エース兼4番打者の小比類巻圭汰主将(2年)は「10人を言い訳せずにやってきた。今日は朝からそわそわしていた。決まったのを聞いた時にはやったな! と思った」と喜びを爆発させた。

 不来方にとって、部員10人がハンディではなかった。人数が少なく、新チーム始動後から打撃練習にほとんどの時間を割いてきた。小比類巻は「打撃を伸ばすしかないし、迷いはない」と黙々とバットを振り込んで昨秋は県大会準優勝。エースとしても9戦中8戦で先発し、計67回を投げきった。

 部員10人に女子マネジャー3人を加えた13人で甲子園に乗り込む。小山健人監督(30)は「自分たちが一番弱いのは分かっている」と前置きしながらも「グラウンドに立つのは9人ですから」と不敵に笑った。