第89回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の選考委員会が27日、大阪市内で開かれ、群馬から前橋育英と高崎健康福祉大高崎がアベック出場を果たした。前橋育英は6年ぶり2度目、高崎健康福祉大高崎は2年ぶり3度目のセンバツとなる。県勢2校の選出は12年以来4度目で、両校は躍進を誓い合った。組み合わせ抽選会は3月10日に行われる。

 高崎健康福祉大高崎の青柳監督は、力強く頂点を見据えた。「力のある選手がそろっている。目標は全国制覇。(前橋)育英高校さんも一緒に出るので、ともに群馬を活性化できるような野球をみせたい」と決意を示した。

 足技で相手を惑わす「機動破壊」。同校の代名詞だが、目標達成のカギに掲げたのは守備だった。「投手中心の守りの野球をみせていきたい。機動力は接戦に持ち込んでこそ生きる。まずはしっかり守ること」と口元を引き締めた。

 重視するディフェンスを支えるのは、「歴代で一番いい」と絶大な信頼を寄せる投手陣。先発型のサイド右腕伊藤、左腕竹本、高速スライダーを操る右腕向井と、異なるタイプがそろう。中でも注目は、抑えを託される小野大夏投手(2年)だ。昨年までは肩の故障にチーム事情も重なり、捕手と兼任。昨年10月の関東大会終了後から投手専任となると、年末の沖縄キャンプで最速145キロをマークする急成長をみせた。「最後を3人でしっかり抑えるのが自分の仕事」とクローザーとしての自覚も十分。身長175センチ、体重75キロと、体は決して大きくないが「次の目標は150キロを出すこと。三振を狙って取れる投手になりたい」と力を込めた。青柳監督も「経験が少ない分、伸びしろは大きい」と期待を寄せる。

 甲子園での過去最高成績は12年センバツのベスト4。継投策で失点を抑え、武器の機動力を突破口に接戦を制する-。打撃力の向上も図りながら、目指す頂へ登り詰める。【佐竹実】