第89回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に出場する32校の選考会が27日、大阪市内で開かれ、昨秋の九州大会王者、福岡大大濠が26年ぶり4度目の出場を決めた。エース三浦銀二投手と古賀悠斗捕手(ともに2年)のバッテリーは、昨秋の明治神宮大会で敗れた早実へのリベンジに気合十分。組み合わせ抽選会は3月10日に行われる。

 あの悔しさは忘れない。センバツ出場が決まった瞬間に、早実へのリベンジへの気持ちが高まった。福岡大大濠のエース三浦は「早実と対戦したいし、清宮くんや野村くんとも対戦したい。今度は完璧に抑えたい」とキッパリ口にした。

 昨秋の明治神宮大会準決勝。1年生の野村大樹内野手に許した1発を含め、12安打で6点を失った。清宮幸太郎内野手(2年)には二塁打を許し4四死球も与えた。「逃げていた」。この冬は練習場近くの砂浜ランニングなど、1日10キロ以上の走り込みで下半身を強化。甲子園での雪辱を誓い、制球力に磨きをかけた。ブルペンでは「捕手が構えたところに10球ずつ、しっかり投げる練習をしてきた」と手応えを感じている。

 女房役の古賀も気持ちはまったく同じだ。何度も早実に負けた試合を見直し、「自分の配球のせいで負けたと思っている。早実ともう1回対戦できたら、清宮選手も野村選手も、次は打ち取る自信はある」。3番で出場した神宮大会では本塁打を放ったが、「自分の成績よりチームの勝利が上です」と、勝利への執念は人一倍だ。

 OBでもある八木啓伸(ひろのぶ)監督(39)は気を引き締め直した。「まだセンバツは勝ったことがないので、まずは1勝です。出るからには優勝を目指したい」。昨秋九州王者となって自信をつける一方で、神宮大会ではまだまだ上がいることを実感した。自慢のバッテリーの実力アップで、センバツでの頂点を目指す。【浦田由紀夫】

 ◆福岡大大濠VS早実(16年明治神宮大会準決勝)福岡大大濠の先発三浦は、早実清宮に1安打4四死球で5打席すべてて出塁を許した。3回1死での打席では三浦が内角直球を打たれ、無回転のようなライナー。二塁手の斎藤はグラブには当てたが、捕球できずに転倒。右中間へ転がる強烈な二塁打を浴びた。12安打された三浦は完投も6失点。打線は終盤追い上げも及ばず、決勝進出を逃した。