今春のセンバツ(3月19日開幕、甲子園)に出場する静岡のコーチに、同校OBでプロ野球ヤクルトなどで選手、スカウトを務めた小田義人氏(69)が就任することが9日、分かった。就任時期は未定だが、すでにOB会などの承認を得ている。

 今月7日に学生野球資格を回復した小田氏は、静高のレジェンドだ。1年時から主力となり、1年夏に甲子園に出場。3年春のセンバツでは4番としてチームをベスト8進出に導いた。その後、早大に進学してリーグ優勝とベストナインを獲得。社会人の大昭和製紙では都市対抗野球で優勝した。1972年(昭47)には、ドラフト2位でヤクルトに入団。11年間の現役生活で4球団を渡り歩いた後に、近鉄スカウトに就任。静高の後輩にあたる赤堀元之(46=ヤクルトコーチ)を獲得した。

 プロ野球経験者が、69歳にして高校野球の指導者になるのは全国的にも異例だが、大石卓哉部長(36)は小田さんへの期待を込めて言った。「培ってきた経験を選手に還元していただければ」。同校として戦後初となる4強以上を目指す上で、これ以上ない頼もしい参謀がチームに加わる。

 ◆小田義人(おだ・よしと)1947年(昭22)5月22日、静岡市生まれ。静岡の3年だった65年に阪急からドラフト指名を受けたが、早大に進学。大昭和製紙を経て、72年にドラフト2位でヤクルト入団。日本ハム、南海、近鉄でもプレーし、83年に現役引退。近鉄のスカウト、ヤクルトではコーチを経て、スカウトに就任した。