未来の高校球児に朗報となるか-。20年東京五輪・パラリンピック大会に際し、大会組織委員会が神宮球場(東京都新宿区)の大会前後の使用中止を要請している問題で、同球場の借用期間がさらに短縮される可能性が浮上した。21日、所有者の明治神宮外苑が都内で、東京6大学連盟と東京都高野連に再修正案を説明した。これまでは、20年7月1日から借用の要望を受けていたが、週明け同6日以降に繰り下げられる見通しとなった。

 20年9月20日ごろまでとされる借用期間の大幅な変更ではないが、東京都の高校球児、特に最後の夏を迎える3年生にとって、短縮の意義は大きい。同年7月4、5日が週末にあたり、全国高校野球選手権大会の東・西東京大会開会式を神宮球場で行うことが可能になる。明治神宮外苑とヤクルト球団ら関係4団体は、昨年5月に行われた組織委との2度目の協議で、約5カ月間に及ぶ大幅な借用期間短縮を提示された。基本合意したが、高校野球へ配慮を求める声は多く、前後5日間程度のさらなる短縮を申し入れていた。

 今回の神宮借用問題を機に昨年、東京都高野連らは、東京都へ2万~3万人規模の収容を目的とした「新球場設立」を願い出たが、実現は厳しい状況だ。当面は、明治神宮外苑が各団体の意見を集約する形で組織委と協議していく模様。借用期間の正式決定を経て、補償や代替球場などの詳細を詰めていく。

 ◆経緯 組織委は昨年3月、20年東京五輪・パラリンピックに使う新国立競技場の運営のため、神宮球場などを資材置き場として使用したいとして、明治神宮外苑に対し大会前後の使用中止を要請。当初の期間は20年5~11月末まで。組織委は同4月までにはヤクルト球団、東京6大学野球連盟、東都大学野球連盟、東京都高野連と神宮球場を使う野球関係4団体と接触。以降、借用期間などの交渉を重ねた。