代打の切り札から4番へ名乗り。19日開幕のセンバツ高校野球に出場する盛岡大付(岩手)が15日、甲子園練習終了後、和歌山市内で智弁和歌山と練習試合を行った。背番号13の5番須藤颯内野手(3年)が、二塁打2本を含む3安打3打点と敗戦の中で活躍。今年初めてクリーンアップに起用され、結果を出した。

 左打席から左投手を打ち崩した。昨秋から工夫している、体が開くのを防ぐクローズスタンスで打席に立ち、右中間、左翼線、中前と広角に打ち分けた。「自分のバッティングができた。打ち分けるのが持ち味」と言った。20日の1回戦で対戦する高岡商(富山)のエースは左腕。絶好のシミュレーションになった。

 11日に始まった練習試合の打順は6、7番。ここまで4試合すべてに安打を放っていた。その好調ぶりに関口清治監督(39)は「4番はあるかもしれない」と、抜てきをほのめかした。

 昨秋の公式戦は代打だけの出場で4打数3安打。だが東北大会後に打撃力を買われ、練習試合にスタメン起用されると「試合に出られてうれしい」と経験と自信を得た。柔和な表情から「ムーミン」と呼ばれる好打者が、開幕直前に大きく株を上げた。【久野朗】