21世紀枠で初出場の不来方(こずかた、岩手)が静岡に3-12と打ち込まれ、初戦で敗退した。

 不来方の三塁側アルプススタンドでは、約500人の応援団が試合を盛り上げた。学校のある矢巾町からバス16台で生徒、保護者ら約330人がかけつけ、OBや関係者が現地で合流した。男子ハンドボール部の27人は、午前中に神戸市内で行われた全国高校選抜の1回戦を勝ち上がり、その足で甲子園にやって来た。同部の内記徹監督(40)は「昨日だと開会式で無理でしたが、(甲子園が)1日順延になって来られました」と声援を送っていた。

 矢巾町田園ホールには在校生、町民約500人が駆けつけ、大型スクリーンの前で声援を送った。試合前には矢巾中、矢巾北中両校の野球部員が音頭を取って会場全体で応援練習を行うなど、気合十分。不来方カラーの紫色の応援バルーンを手に熱戦を後押しした。1回表、4番小比類巻の中越え二塁打で先制すると、会場は一気にヒートアップした。敗れはしたものの、夢の舞台でのびのびとプレーした選手たちには、大きな拍手が送られた。応援をリードした矢巾北中野球部の昆野漱太郎(そうたろう)主将は「小比類巻選手のように粘り強いピッチングをしたい」と、目を輝かせていた。