初出場の呉(広島)が優勝候補の履正社(大阪)相手に大健闘した。

 無失策の堅い守りに支えられて、エースの池田吏輝投手(3年)が8回6安打1失点と好投。1回2死二塁で履正社の4番若林に適時二塁打を許したが、池田は「思ったより打たれなかった。7~8点取られると思っていた。負けたけれど、楽しんで試合ができた」と笑顔を見せた。

 今秋のドラフト候補に挙げられる履正社3番安田との対戦は、3打数無安打1四球。満足な打撃をさせず「オーラがあって、最初はビビってしまったけれど、自分でも通用すると思った」。試合前には「抑えて自分も注目されたい」と初々しく話していた左腕が見事に封じた。

 投手力と守りで持ち味を発揮したが、打線は2安打無得点。聖地から宿題をもらい、中村信彦監督(62)は「10点取られると思っていたから、1点だったら上出来。ただ、もう少し攻撃できると思っていた。基本は守りが中心だけれど、守りだけでは勝ちがない。それぞれの役割を果たしていかないといけない」と夏を見据えた。