智弁学園(奈良)はセンバツ連覇の夢を絶たれた。盛岡大付(岩手)に6回から8回まで3イニングで計5点を奪われ、9回に必死の反撃に出たが1点どまり。小坂将商監督(39)は「(連覇は)そんなに甘くない」とうなってしまった。

 初戦の熊本工戦(19日)で11安打9点。しかしこの日は7回まで田渕竜臣内野手(3年)の二塁打1本だった。スコアボードには無得点の0が並んだ。主将の福元悠真外野手(3年は)「思っているような打撃は何ひとつできなかった」と悔しがった。松本竜也投手(3年)が5回まで相手強力打線を1安打に抑えていただけに、早めに先制点を挙げたかった。

 松本は初戦で完封した。このとき、9イニングすべて先頭打者をアウトに取った。今大会出場32校の初戦で、相手攻撃の各回先頭を抑え切ったのは松本だけだった。2試合奮闘した松本は、2戦目の6回からの5失点に「ここというところで甘い球がいってしまった。自分の力がまだ足りなかった」と振り返り、逃したセンバツ連覇については「でかい壁で、自分がそれにぶつかってしまった」と話した。

 智弁学園は昨年センバツ優勝を果たしたが、それまでは77年の4強を最後に8強の壁にはね返されていた。今回また立ちはだかった2勝目の壁。松本は「今回分かった自分に足りない部分を、鍛えていきたい」と甲子園から宿題を持ち帰った。