盛岡大付(岩手)のエース左腕・三浦瑞樹投手(3年)がチームを春夏通じて初の8強に導いた。強豪智弁学園(奈良)を4安打1失点に抑え、公式戦初完投。「1回戦より打者に向かっていった。やったぞという気持ち」と興奮気味に話した。昨夏は3試合に登板し16回1/3で12失点。今春の初戦は3回1/3で6失点と結果を出せなかったが、5試合目にようやく力を発揮した。

 打っても、1点リードの7回1死一、三塁の打席で二ゴロが野選を誘い、貴重な追加点を生み出した。登録は左打ちだが、この日は右打席に立った。関口清治監督(39)は「1回戦後の練習で右で打たせたら意外に良かった。ひらめきもあった」と説明。左腕に死球が当たるのを避け、高校から左打ちに変えた三浦瑞は中学まで右打ちだった。「次も右で打ちます」と笑った。左右両刀遣いで、準々決勝は優勝候補筆頭の履正社に挑む。

 ◆岩手県勢のセンバツ8強 84年大船渡(4強)09年花巻東(準優勝)に次いで3度目。盛岡大付は春夏を通じ初めて。

 ◆連覇阻止 盛岡大付が昨年優勝の智弁学園に勝利。前年優勝校の出場は39度目だが、東北勢が連覇を阻止したのは初めて。