大阪桐蔭が「ミレニアム世代」の活躍で初戦を突破した。初回に5点を先制すると4回に山田健太内野手(2年)が2ランを放って加点。「5番遊撃」で先発した根尾昂外野手(2年)も1回に2点適時打を記録し、新2年生で6打点を稼いだ。11-0で宇部鴻城(山口)に大勝した。

 最強復活の予感が漂う。大阪桐蔭「ミレニアム世代」が、甲子園にデビューした。2000年(平12)生まれの新2年5人がスタメンに名前を連ねた打線。1番・藤原の左中間二塁打で、初回5点の猛攻は幕を開けた。5番・根尾が2点適時打で続いた。5回には3番・中川が二塁ゴロで10点目を奪い、9回は3番手投手の柿木がチーム最速143キロ速球で締めた。そしてチームの世代1号は、6番・山田だった。

 4回2死二塁。弾丸ライナーが左翼スタンドへ一直線に伸びた。「素直にうれしい。3月のオープン戦は調子がよかったので」という言葉を証明する年明け5本目の高校8号。元4番の成長のアーチだった。

 14年センバツ4強の豊川(愛知)の左翼手だった兄大地さんを見て、甲子園の活躍に憧れた。同年夏全国制覇の大阪桐蔭に進み、昨秋近畿大会1回戦は同学年でも最速で4番に座った。だが重責に技術がついていかず、無安打。出場機会を失った。復活をかけたこの冬。右手をかぶせてバットのヘッドを立てるフォームで「強い球に負けない打ち方を身につけ、タイミングの取り方も変えました」。強打者がよみがえった。

 さらにプロの目をくぎ付けにしたのが根尾だ。「瞬発力があるしバネがすごい」と中日中田スカウト部長が声を上げ、巨人岡崎スカウト部長は「ポテンシャルが高いね」。古川中時代は山田と中日本選抜で中軸を組み世界大会に出場したが、アルペンスキー回転でも全国制覇し世界大会を経験した異次元の「二刀流」。1安打2打点の結果、4回に中飛ながらバックスクリーンぎりぎりまで飛ばした打力、遊撃と中堅を守りきった守備力で才能を証明しても「まだ結果を残せていない。みんながライバル」と表情を引き締める。

 試合前、福井主将から「2年はどんどん行けよ」と背中を押された。先発の2年全員で健闘を誓い、ベンチ裏で拳を当て合った。ミレニアム世代で6打点。来夏、100回大会に向けて、甲子園の主役に躍り出た。【堀まどか】

 ◆2ケタ得点7試合 宇部鴻城-大阪桐蔭戦は今大会7度目の2ケタ得点。1大会で2ケタ得点7試合は06年以来の大会最多タイ。